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パリ地域圏の空港を水素ハブに:ADPグループのエネルギー転換計画の概要

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Groupe ADP パリ空港公団)は現在、フランスのパリ=シャルル・ド・ゴール空港、パリ=オルリー空港、パリ=ル・ブルジェ空港の運営に加え、世界の28空港の運営にも携わっています。パリ地域圏のエアモビリティ分野は、二酸化炭素排出量を削減するため、水素エネルギーなどのクリーンエネルギーの利活用促進に向けた取り組みを加速化しており、ADPグループをはじめとする数多くの航空輸送関係者や空港運営会社が、従来の化石燃料に代わって、水素燃料を空港事業のあらゆるレベルに導入する計画に取り組んでいます。今回は、 ADPグループのClimate and Sustainable Air Transport責任者で水素プログラム担当のブランディーヌ・ランドフリード 氏に、パリ地域圏の空港の水素ハブ化計画について、お話をうかがいました。


水素エネルギーへの転換はADPグループの二酸化炭素排出量にどのような影響をもたらしますか?

航空会社や客室乗務員、貨物取扱係などの関係者の作業を含め、空港関連業務の脱炭素化を図ることが重要な課題です。そのためには、グローバルなエコシステムを構築する必要があり、移行のさまざまな局面で困難が予想されます。しかし、最終的には、タクシー(2017年からパリ=シャルル・ド・ゴール空港とパリ=オルリー空港で水素燃料供給設備を運営)や、バス、トラック、航空機地上支援を含める陸上モビリティと航空機運用の代替エネルギー源として水素の利活用が可能になるでしょう。
そのために、低価格の水素を大量に供給できるサプライチェーンを構築して空港を水素ハブ化することが必要です。空港は重要な統合的役割を担っているのです。


2030年から2050年に向けてどのような主要技術の利用を見込まれていますか?

空港の水素ハブ化は段階的に進められます。

第一段階は、各空港にその地域の水素エコシステムを構築することです。主なプラットフォーム(パリ=シャルル・ド・ゴール空港、パリ=オルリー空港、パリ=ル・ブルジェ空港)に水素燃料供給設備を導入し、同時に大型モビリティ(トラック、特定用途車、地上支援設備など)の地上運用のための水素燃料利用を進めるわけです。2021年2月、ADPグループは、パリ地域圏、エールフランスKLMオランダ航空、エアバスと共同で、「水素ハブ空港」 に向けてパートナーの公募を開始しました。これにより、航空輸送パートナーに空港の水素エネルギー産業の将来性について理解してもらうことができました。また、空港の特殊性に対応する水素エコシステム(それ自体が現在各プラットフォームで構築が進んでいる地域的エコシステムの中に組み込まれている)を定義する11のプロジェクトが選定されました。 ADPグループはすでに、空港インフラを水素航空機の運用に必要な水素生産プロセスに対応させる作業にも取り組んでいます。ADPグループ、エアバス、エア・リキードは、水素のバリューチェーン(製造、輸送、貯蔵、液化など)全体において空港が直面する課題を乗り切るために、最も適した物流システムの定義を協力して行いました。


ADPグループによると、パリ地域圏の水素エコシステムの特長とは何ですか? 簡単にご説明ください。

Pパリ空港も、その地域や空港・航空輸送エコシステム関係者も、それぞれがエネルギー転換に向けた独自の課題を抱えていますが、同時にパリ地域圏における水素利用の発達を促進させる多くの強みを持っています。
私たちの目標は、すべての地方機関との協議を通じてそれぞれのニーズや課題を理解し、共通の水素燃料開発戦略を策定することです。
水素エネルギー利用の各段階で地域と空港が協力することで、貯蔵、供給、輸送、循環型経済のさまざまな面でスケールアップが容易になるはずです。
また、水素ハブの発達によって、こうした新エネルギー分野を中心とした経済成長、多様化、産業化、地域雇用創出、研修機会の新たな見通しが開けるでしょう。


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